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骨軟部腫瘍

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骨軟部腫瘍とは

骨軟部腫瘍は、骨組織や軟部組織(筋肉、脂肪、結合組織など)に発生する腫瘍の総称です。
これらの腫瘍は、発生した組織に応じて骨腫瘍と軟部腫瘍に分けられます。
骨腫瘍と軟部腫瘍は、それぞれが良性または悪性に分類されます。
良性の場合、それぞれを良性骨腫瘍、良性軟部腫瘍と呼びます。
悪性の場合、悪性骨腫瘍、悪性軟部腫瘍と称され、さらに悪性腫瘍は肉腫とも呼ばれます。
肉腫は発生した組織に基づいて、骨の肉腫と軟部肉腫に分類されます。
さらに、悪性骨軟部腫瘍には原発性と続発性(転移性)の区分があります。
原発性骨軟部腫瘍は骨や軟部組織自体に最初から発生した腫瘍です。
一方、続発性(転移性)骨軟部腫瘍は他の臓器(消化器や肺など)のがんが転移して形成された腫瘍です。
この場合、がんの骨転移と呼ばれることがあり、肉腫が転移することもありますが、内臓がんからの転移が一般に多いです。

症状・特徴

骨腫瘍は、病的骨折で初めて気付かれることがあります。
これは、骨が病気で弱まり、折れてしまう状態を指します。
しかし、特に症状がなくても健診で発見される場合も少なくありません。
一方、軟部腫瘍は、痛みを伴わないしこりとして認識されることが多いです。
これらは進行すると大きくなり、その時点で医療機関を訪れる人が多いです。
ほとんどの悪性腫瘍は痛みがないため、小さいものでも悪性である可能性があります。

検査

骨軟部腫瘍の診断には、レントゲン、CT、MRIといった画像診断が欠かせません。
これらにより、腫瘍の位置や大きさを確認します。
ただし、確定診断には病理検査が必要です。この検査では、患部の組織を採取し、顕微鏡で細かく調べます。
採取方法は、病気の部位や状態によって異なります。
一方で、骨軟部腫瘍は血液検査の腫瘍マーカーだけでは診断が困難です。
これは、骨軟部腫瘍の性質が種類によって大きく異なるためです。

治療方法

手術

手術は、主に他の臓器へ転移していない場合に行われます。
過去には肉腫が腕や脚に見られた場合は切断が一般的でしたが、現在はMRIの進歩により、安全に肉腫を切除することが多くなっています。

化学療法

化学療法では、抗がん剤を用いてがん細胞を減少させ、その増殖を抑えます。
これにより、血流を通じて全身に抗がん剤が運ばれ、全身に効果が期待できます。
肉腫の治療には細胞障害性抗がん剤が用いられ、特に骨肉腫やユーイング肉腫には化学療法が効果的です。
最近では軟部肉腫に対する抗がん剤の種類が増え、分子標的薬も使用可能になっています。

放射線療法

放射線療法は、他の臓器に転移がある場合や高齢などで手術が困難な場合に選択されます。
肉腫に対して放射線治療の効果は限定的ですが、ユーイング肉腫や粘液型脂肪肉腫では比較的効果が高いです。