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腎盂尿管がん

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腎盂尿管がんとは

腎盂がんは、腎盂という腎臓の一部から発生するがんです。
腎盂は尿を腎臓から尿管へと送る役割を持っています。
このタイプのがんは初期段階で自覚症状がほとんどないため、早期発見が困難です。
健康診断や他の病気を疑って行われる検査の過程で偶然に発見されることが多いです。
また、腎臓内に尿が異常にたまる水腎症を引き起こすことがあり、
これが原因で精密検査が行われ、その結果として腎盂がんが見つかることもあります。

症状・特徴

がんが初期段階である場合、自覚症状がほとんどないことが多いです。
しかし、定期的な健康診断や他の病気が疑われて行われる検査で、偶然がんが見つかることがあります。
例えば、腎臓での尿の停滞(水腎症)が、精密検査を通じてがんの発見につながるケースもあります。
水腎症は、がんが尿管を塞いで尿の流れが悪くなることにより起こります。
この状態が長期間続くと、腎臓がその機能を失う可能性があります(無機能腎)。
しかし、人間には二つの腎臓があるため、一方の腎臓が機能しなくなっても、もう一方がその機能を補います。
その結果、尿の量が減るなどの症状は目立たないことが多いです。
がんが進行すると、尿に血が混じり、ピンク色から赤色の尿(血尿)が見られることがあります。
また、尿管が血液で詰まることやがんの周囲への広がりによって、腰や背中、脇腹に痛みが生じることもあります。
これらの痛みは、尿管結石と似た症状を呈し、激しい痛みが突然発生することがあります。

検査

1
尿検査

尿中に血液やがん細胞の存在を調べるための検査です。
目視での血尿の確認や顕微鏡を用いた血液の検査、尿細胞診検査により尿路内のがん細胞を検出します。
ただし、がん細胞が存在しても結果が陰性となることもあるため、他の検査と合わせて判断することが必要です。

2
腹部超音波検査

超音波プローブを用いて体内の臓器を観察し、がんの位置や形状、周辺臓器との関係を調べます。
この検査で腎盂がんや水腎症、リンパ節への転移の有無を確認できます。

3
膀胱鏡検査

膀胱鏡を尿道から挿入し、膀胱内部を直接観察します。
主に膀胱がんの有無を調べるために用いられますが、腎盂・尿管がんの診断にも役立つことがあります。

4
CT検査(CTウログラフィー)

体をX線でスキャンし、断面画像を取得します。
造影剤を用いることで、腎盂や尿管、膀胱の詳細な3次元画像を得ることができ、がんの形状や広がり、転移の有無を詳しく調べることができます。

5
逆行性腎盂尿管造影検査

膀胱から尿管口にカテーテルを挿入し、造影剤を注入してX線撮影を行います。

7
軟性尿管鏡検査

軟性の内視鏡を用いて尿管や腎盂を直接観察し、がんの大きさや形、浸潤の有無を確認します。
必要に応じて組織を採取して顕微鏡で調べる生検も行います。

8
MRI検査

磁気を用いて体の内部を詳細に映し出します。
CTウログラフィーで確定診断が出来なかった場合や、造影剤アレルギーのある場合に行われることがあります。

9
腫瘍マーカー検査

特定のがんに関連するタンパク質や他の物質を血液中から検出することで、がんの存在、進行状況や治療効果を判断します。
腎盂・尿管がんでは、尿中のNMP22の測定を行うことがあります。

治療方法

腎臓がんが転移していないときは、影響を受けた腎臓、尿管、膀胱の一部を取り除く
「腎尿管全摘術」が一般的な治療方法です。
この手術は通常、腹腔鏡かロボットを使って行われ、入院は約7日から10日です。
しかし、もし反対側の腎臓の働きが低下している場合や、腫瘍が比較的良性であれば、
尿管を部分的に切除する手術や内視鏡を用いた治療が選ばれることがあります。
腎臓がんが転移している場合には、膀胱がん治療と同じように、抗がん剤を使用した薬物療法が検討されます。