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前立腺がん

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前立腺がんとは

前立腺がんは、男性特有の病気です。
前立腺は、精液の一部を作る重要な役割を担っており、
この臓器の細胞が正常な増殖を失い、無秩序に増え始めた状態を指します。
前立腺がんが発生すると、細胞が制御不能になり、がん化します。
このがんは前立腺内で始まりますが、進行すると他の部位にも影響を及ぼすことがあります。

症状・特徴

前立腺がんの早期段階では、多くの患者様が自覚症状を感じません。
しかし、時には尿が出にくくなったり、頻繁にトイレに行く必要が生じることもあります。
がんが進行すると、これらの排尿関連の症状に加えて、血尿が出ることや、骨への転移が原因で腰痛を感じることがあります。

検査

1
PSA検査

PSA検査は前立腺がんの早期発見に非常に重要です。
前立腺の細胞が傷つくとPSAが血液に流れ出し、その量が増えることからがんの可能性を探ります。
一般にPSAの正常値は0~4ng/mLですが、年齢に応じてこの値は変わることがあります。
4~10ng/mLの場合は「グレーゾーン」とされ、25~40%でがんが見つかります。
しかし、PSA値が高くてもがんがないケースや、低くてもがんが見つかることもあります。
100ng/mLを超えると、前立腺がんの可能性は高く、転移も疑われます。
PSAには、遊離型と結合型の2種類があり、総PSAに対する遊離型の比率(F/T比)が低いとがんの可能性が高まります。

2
直腸診と経直腸エコー

直腸診では、医師が肛門から指を入れ前立腺を触診します。
前立腺に異常が感じられるとがんを疑います。
経直腸エコーでは、超音波プローブを使用し前立腺の形や大きさを詳しく調べます。

3
前立腺生検

前立腺がんの疑いがある場合、前立腺生検を行います。
この検査では、超音波を使いながら前立腺の組織を針で採取します。
初回の生検では10~12カ所の採取が一般的です。
がんが見つからない場合でも、PSA検査の結果次第で再生検が必要になることがあります。
合併症としては出血や感染、排尿困難などが挙げられますが、重篤な感染症は稀です。

4
画像診断

前立腺がんの診断には、CT検査やMRI検査、骨シンチグラフィが用いられます。
これらはリンパ節転移や骨転移などを調べるために重要です。
造影剤を使用するため、過去にアレルギー反応があった方は注意が必要です。

治療方法

転移がない場合の治療法

手術療法

全前立腺の摘出と膀胱・尿道の再接続を伴います。
全身麻酔が必要で、入院期間は約8-10日です。
尿失禁や勃起障害などの合併症が発生する可能性がありますが、尿失禁は通常数ヶ月で回復します。
リンパ節摘出を含むロボット支援下の手術も行われています。

放射線治療

外部からの照射(外照射治療)と前立腺内部からの照射(内照射治療)があります。 副作用には粘膜障害、下血、血尿、頻尿などがあります。

転移がある場合の治療法

ホルモン治療

男性ホルモンを抑制することでがんの進行を遅らせる方法です。
副作用にはホットフラッシュ、肥満、骨密度の低下、勃起不全などがあります。

化学療法

ドセタキセルやカバジタキセルなどの抗がん剤が使用されることがあります。
副作用には免疫力の低下、貧血、易出血性、脱毛、吐き気、食欲不振などがあります。

前立腺がん+多発骨転移 / 72歳 男性

前立腺がん周囲浸潤型 ステージ3 / 74歳 男性