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悪性リンパ腫

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悪性リンパ腫とは

悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気です。
このがんは主にリンパ節や扁桃腺などのリンパ組織に発生しますが、
胃や肺のようなリンパ組織以外の臓器にも現れることがあります。
悪性リンパ腫には多くの種類があり、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。

非ホジキンリンパ腫

非ホジキンリンパ腫は、さらにB細胞リンパ腫とT/NK細胞リンパ腫に分類され、それぞれ多くの下位タイプがあります。

【B細胞リンパ腫】

  • 濾胞性リンパ腫
  • MALTリンパ腫
  • リンパ形質細胞性リンパ腫
  • マントル細胞リンパ腫
  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  • バーキットリンパ腫
  • 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
  • その他

【T/NK細胞リンパ腫】

  • 末梢性T細胞リンパ腫、非特定型
  • 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
  • 未分化大細胞型リンパ腫
  • 成人T細胞白血病リンパ腫
  • 節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型
  • 皮膚のリンパ腫(菌状息肉症など)
  • その他

ホジキンリンパ腫

ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫全体の約5%を占め、以下の2種類に分けられます。

  • 古典的ホジキンリンパ腫
  • 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫

症状・特徴

悪性リンパ腫において最も一般的な症状はリンパ節の腫大です。
これは首や足の付け根など、体の表面から触れることができる場所に腫瘤として感じられることがあります。
さらに、体内のリンパ節が増大すると、その部位に応じた症状が出ることもあります。
また、悪性リンパ腫は臓器に直接腫瘤を形成し、その結果としてさまざまな症状を引き起こすことがあります。

検査

悪性リンパ腫の診断には、主に生検が用いられます。
この検査では、腫れたリンパ節などから病変組織を採取し、顕微鏡下で詳細に分析します。
検査では、細胞の種類(B細胞、T細胞、NK細胞など)を特定し、染色体や遺伝子の異常を調べることもあります。
さらに、病気の広がりを把握するために、CTやPET-CTなどの画像検査を行います。
場合によっては、内視鏡検査や骨髄検査も必要とされます。
骨髄検査(骨髄穿刺や骨髄生検)は、皮膚の消毒と局所麻酔後に腸骨から骨髄組織を採取する方法です。

治療方法(副作用と後遺症)

薬物療法

悪性リンパ腫の治療には、抗がん剤や分子標的薬の多剤併用療法が中心です。
非ホジキンリンパ腫の初回治療には、CHOP療法(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)、R-CHOP療法(CHOPにリツキシマブ追加)、Pola+R-CHP療法(CHOPにポラツズマブ ベドチンを併用)、BR療法(ベンダムスチンとリツキシマブ併用)などが選択され、病型や患者様の状態に応じて治療法が選ばれます。
ホジキンリンパ腫の初回治療には、ABVD療法(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)や、A-AVD療法(ブレオマイシンの代わりに、ブレンツキシマブ ベドチンを追加)があります。

放射線治療

放射線治療は、進行が遅いリンパ腫や局限した範囲の病変に用いられることもあり、症状の緩和や造血幹細胞移植前の準備として行われることがあります。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植では、自家移植と同種移植があります。
リンパ腫の治療では特に自家造血幹細胞移植が主流で、患者様自身の幹細胞を採取して冷凍保存し、強力な化学療法の後に再投与することで治療が進められます。

悪性リンパ腫 / 71歳 男性