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肺がん

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肺がんとは

肺がんとは、肺の細胞ががん化する病気です。
肺は左右の胸に一つずつあり、酸素を取り込んで二酸化炭素を排出する重要な役割を持っています。
右側の肺は3つ、左側の肺は2つの部分に分かれており、これらを肺葉と呼びます。
気管から分かれた主気管支が何度も枝分かれし、肺胞という小さな袋が多数存在します。
肺がんは、主にこれらの気管支や肺胞の細胞から始まります。
進行すると、肺の他の部位やリンパ節、さらには骨や脳など他の臓器にも転移する可能性があります。

症状・特徴

肺がんは初期には特有の症状が現れにくいため、進行するまで気付かないことが多いです。
主な症状として、咳、痰、血痰(痰に血が混じる)、胸の痛み、動いたときの息苦しさ、動悸、発熱などがあります。
これらの症状は肺炎や気管支炎といった他の呼吸器系の病気と共通しているため、肺がん特有の症状はありません。
肺がんは症状が現れないまま進行することもあり、定期的な検診や他の病気の検査で偶然発見されることがあります。
脳や骨への転移がある場合は、頭痛やふらつき、背中や肩の痛みなどの症状が現れることがあります。
もし咳や痰が原因不明で2週間以上続いたり、血痰が出たり、発熱が5日以上続く場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

検査

1
胸部X線検査

肺に異常な影がないかを確認するための基本的な検査です。
健康診断やがん検診にも広く用いられています。

2
喀痰細胞診

痰の中の細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞の存在を調べる検査です。
特に肺門部のがんを発見するのに有効ですが、連続して数日分の痰を採取して調べる必要があります。

3
CT検査

X線を利用して体の断面画像を撮影し、肺がんの病変やリンパ節の腫れ、他臓器への転移の有無を詳しく調べることができます。

4
気管支鏡検査・生検

内視鏡を用いて気管支の内部を直接観察し、がんが疑われる部位から細胞や組織を採取します。
この検査は局部麻酔を使用し、がん診断のための重要な手段の一つです。
ただし、達しづらい場所にある腫瘍では、がん細胞を検出できないこともあります。

5
経皮的針生検

気管支鏡で到達できない病変に対して、体表から針を刺し、超音波やCTの下で肺の病変部から細胞や組織を採取します。
高い診断精度を持ちますが、気胸などのリスクも伴います。

6
胸腔鏡検査

胸部を小さく切開して内視鏡を挿入し、肺や胸膜、リンパ節の組織を直接採取する検査です。
全身麻酔のもとで行われることが多いですが、局所麻酔で行う場合もあります。

7
がん遺伝子検査
(ERCP:Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography)

非小細胞肺がんにおいて、個別化された薬物療法を検討する際に行います。
生検などで採取した組織から、EGFR、ALK、ROS1などのがん遺伝子の異常を調べます。
これらの遺伝子に異常がある場合、特定の分子標的薬を用いた治療が可能です。

8
PD-L1検査

この検査は、非小細胞肺がんの細胞におけるPD-L1タンパク質の発現率を調べ、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を予測します。
PD-L1の発現が高い場合、免疫療法が特に効果的である可能性があります。

9
MRI検査

頭部や骨など、肺がんの潜在的転移部位を詳細に調べるために実施します。
MRIは磁気を利用して体内の詳細な画像を生成し、転移の有無を確認します。

10
PET-CT検査

がん細胞の活動を詳細に観察するための検査で、PETとCTの両方の画像を組み合わせることで、がんの存在、進行度、転移の有無を高精度で評価します。

11
骨シンチグラフィ

骨転移を特定するために使用される検査です。
放射性物質を含む薬剤を体内に注入し、がん細胞に集まる性質を利用して骨内の異常を探ります。

12
腫瘍マーカー検査

特定の腫瘍マーカーを血中から検出し、がんの診断補助や治療の効果、病状の経過観察に利用します。
CYFRA、CEA、ProGRP、NSEなどが知られていますが、これらのマーカーだけでがんの有無や進行を断定することはできません。

治療方法

比較的早期の非小細胞肺がんでは、主な治療法は手術です。
手術後には再発を防ぐために薬物療法を行うことがあります。
体の状態や他の病気がある場合、手術が難しいときは放射線治療が選ばれることもあります。
進行したがんで手術で完全に切除が難しい場合でも、放射線治療が効果的なことがあります。
体の状態が許せば、放射線治療と薬物療法を同時に行う化学放射線療法が適用されることもあります。
さらに進行した場合は薬物療法が中心となります。

肺がん+がん性胸膜炎+がん性胸水 / 62歳 女性 

肺がん術後再発・放射線治療後再発 / 63歳 男性

切除不能肺がん / 85歳 男性