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胆のうがんは、胆のうや胆のう管に生じる悪性腫瘍です。
これは胆道がんの一種で、胆のうがん、胆管がん、乳頭部がんを総称して胆道がんと呼びます。
胆のうがんのリスクを高める主な因子には、膵(すい)・胆管合流異常があります。
これは膵管と胆管が十二指腸の手前で先天的に合流している状態で、
この異常により膵液と胆汁が逆流し、胆道や膵臓にさまざまな悪影響を及ぼすことが知られています。
このため、予防的な胆のう摘出術が検討されることがあります。
また、胆のうポリープの場合、その大きさや形状によりがん化のリスクが異なります。
広基性病変(広い基部を持つ隆起した病変)である場合や、ポリープの大きさが10mmを超える場合、
また増大傾向が見られる場合には、胆のうがんである可能性が高まるため、胆のう摘出術が推奨されます。
多くの胆のうがんは初期段階で無症状であり、定期的な腹部超音波(エコー)検査により偶然発見されることがあります。
胆のうがんの初期には、特徴的な症状が見られないことが多いです。
初期段階では、胆石症や胆嚢炎が原因で腹痛や発熱が生じることがあります。
がんが進行し、総胆管や十二指腸、肝臓など他の臓器に広がると、さまざまな症状が現れ始めます。
プローブを腹部に当て、超音波を用いて胆のうの腫瘍、肝臓の変化、胆管の拡張の有無などをチェックします。
腫瘍の位置、周囲への広がりや転移の有無を詳しく調べるために実施します。
造影剤を使用することで、腫瘍の詳細が明確になり、手術の適応を判断する際に重要な役割を果たします。
強力な磁石を使用して、放射線の被曝なしに体内の詳細な画像を得ることができます。
MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)を通じて、造影剤や内視鏡を使用せずに胆道や膵管の状態を観察することが可能です。
ただし、体内に金属がある場合は検査できないこともあります。
PET-CTは、がん細胞が取り込む放射性ブドウ糖の分布を捉えることで腫瘍を可視化しますが、胆のうがんではFDGの集積が少ないため、小さな腫瘍の検出には向いていません。
しかし、遠隔転移の診断には有効な場合があります。
特殊な内視鏡を用いて十二指腸まで到達させ、胆汁の流れを造影剤を用いて確認します。
閉塞性黄疸がある場合には、黄疸を改善するためのステント留置も同時に行うことが可能です。
胆のうがんの主な治療法には手術、薬物療法、放射線治療があります。
このがんを取り除く最も効果的な方法は手術です。
そのため、最初に手術が可能かどうかを判断します。手術が行えない場合は、薬物療法が中心の治療が実施されます。