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食道がん

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食道がんとは

食道がんは、食道の内面を覆う粘膜から発生する悪性腫瘍です。
食道は、咽頭(のど)と胃の間に位置する管状の臓器で、食べ物を胃へと運ぶ役割を持っています。
入口の咽頭付近を頸部食道、胸の付近を胸部食道、胃と接続する部分を食道胃接合部領域と呼びます。
食道がんは、特に食道の中央付近で発生することが多いですが、食道内に複数発生することもあります。
また、食道がん患者様の約20%では、食道がんとは別に他の臓器でがんが発生することがあります。
これを重複がんと呼び、特に胃がん、咽頭がん、大腸がん、肺がんなどの発生が報告されています。
そのため、食道がんの診断時には、これらの重複がんが存在しないかも同時に検査することが一般的です。

症状・特徴

食道がんは初期に自覚症状がほとんどないため、注意が必要です。
がんが進行すると、飲食時に胸に違和感が現れることがあります。
特に、食べ物が胸の奥でつかえるような感じや、熱いものを飲んだ際のしみるような感覚は早期発見の手がかりになります。
これらの症状は一時的に消えることもありますが、症状が続く場合や再発には警戒が必要です。
がんが成長し食道が狭まると、固形食の飲み込みが難しくなり、最終的には液体さえも通りにくくなることがあります。 食道が完全に塞がれると、唾液さえも飲み込めなくなります。
これにより食事量が減少し、体重の急激な減少につながることもあります。
また、がんが食道の壁を超えて周囲の臓器に浸潤すると、胸の奥や背中に痛みを感じるようになります。
肺や背骨、大動脈に影響を及ぼすと、これらの痛みが顕著になります。
食道がんが気管や気管支を圧迫すると、咳が発生することがもあり、神経に浸潤すると声がかすれることもあります。
胸や背中の痛み、咳、声のかすれは他の疾患でも見られる症状ですが、これらが発生した場合、食道の検査を含めた広範な診断が必要です。

検査

1
上部消化管内視鏡検査

食道の粘膜を直接観察し、異常があれば生検を行い、病理検査でがん細胞の有無を確認します。
また、がんの位置や広がり、深さも詳しく調べることができます。
特殊な色素の使用や特殊な光、拡大画像を使用した観察も行われます。

2
上部消化管造影検査

バリウムを飲んで食道を通過する様子をX線で撮影し、がんによる食道内腔の狭窄や形状の変化を観察します。

3
超音波内視鏡検査

内視鏡の先端に超音波装置を搭載し、食道の壁や周囲の臓器、リンパ節への浸潤や転移の有無を詳細に調べます。

4
病理検査・病理診断

内視鏡検査で採取した組織を顕微鏡で詳しく調べ、がんの存在や種類を確認します。

5
CT検査・MRI検査

体の断面を撮影して、がんの広がりや隣接する臓器への浸潤、遠隔転移の有無を確認します。
これらの検査は食道がんの進行度を判定するのに非常に重要です。

6
超音波(エコー)検査

体表から超音波プローブを用いて、特に腹部や頸部リンパ節への転移を調べます。

7
PET検査

全身のがん細胞を検出し、転移の有無を調べます。
FDGを利用してがん細胞が多くのブドウ糖を取り込む性質を利用して検査を行います。

8
腫瘍マーカー検査

血液中の特定のタンパク質の濃度を測定し、がんの存在や進行状況を検査します。
SCCやCEAなどのマーカーが利用されますが、診断や進行状況の確定には他の検査結果も必要です。

治療方法

食道がんの治療法には、内視鏡治療、手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。
これらの方法はそれぞれ特定の状況で利用され、
患者様のがんの種類や進行度、全体的な健康状態に適した治療が選ばれます。
内視鏡治療は初期の食道がんに対して行われることが多く、がんを直接視覚化しながら治療することができます。
手術による治療は、がんを物理的に除去する方法で、進行がんに対してしばしば適用されます。
放射線治療は、がん細胞を破壊するために高エネルギー放射線を使用し、
抗がん剤治療はがん細胞の成長を阻害する薬を用いる治療です。
これらの治療は、単独で使用されることもありますが、
治癒率を向上させるために複数の治療法を組み合わせて行うことも一般的です。

食道がん手術後再発 / 51歳 男性

食道がん ステージ4 リンパ節転移 / 50歳 男性