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子宮頸がん

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子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮の入口である子宮頸部から発生します。
このがんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
特に16型と18型のHPVが、感染例の60%を占めており、子宮頸部に感染し定着することがあります。
多くの場合、HPVに感染しても約2年以内に90%の人が自身の免疫によってウイルスを排除します。
しかし、10%の人では感染が長期にわたって持続し、がんへと進行する前の異型細胞が増殖することがあります。
このように感染が持続し、自然に治らない場合、子宮頸がんに進行するリスクが高まります。
子宮頸がんには、主に2つのタイプがあります。

扁平上皮がん

扁平上皮がんは、子宮頸部を覆う扁平上皮細胞から発生するがんです。子宮頸がんの中で約8割を占めています。
これらの細胞は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しやすい場所に位置しており、感染が長期化するとがん化するリスクが高まります。

腺がん

腺がんは子宮頸部よりも子宮体部に近い腺細胞から発生します。
このタイプのがんは、特に若い女性に増加傾向にあります。
腺がんは扁平上皮がんに比べて検診での発見が困難であり、そのために日本だけでなく世界的にもその比率が増加しています。
また、腺がんは治療が難しいとされており、発見が遅れがちであることも問題となっています。

症状・特徴

子宮頸がんの初期段階では、症状がほとんどないことが一般的です。
この時期には、おりものや出血、痛みも特にありません。
子宮頸がんが進行すると、様々な症状が現れ始めます。
特に、月経外の出血や性交時の出血が見られることがあります。
また、濃い茶色や膿みを伴うおりもの、水っぽいおりもの、粘液の多量の排出などがあり得ます。
がんが子宮を超えて広がると、骨盤や下腹部、腰に痛みが生じることがあります。
これに加えて、尿や便に血が混じることや、下肢のむくみも発生する可能性があります。

検査

1
細胞診

子宮頸部の細胞をブラシで採取し、ガラス板に広げて色素で染め、顕微鏡で観察します。
異常な細胞が見つかった場合、さらに精密検査を行います。

2
コルポスコピー(腟拡大鏡診)・組織診

細胞診で異常が確認された場合、コルポスコピーを行い、子宮頸部を拡大して観察します。疑わしい部分の組織を採取し、詳細な組織診を実施します。
場合によっては、円錐切除術による組織診も行われます。

3
内診・直腸診

腟と下腹部に手を当て、子宮や卵巣・卵管の位置や形、硬さを調べます。
直腸診では、直腸やその周囲の異常を確認します。

4
超音波検査(エコー)

腟内や腹部の超音波検査を行い、子宮や卵巣、その他の臓器への転移を調べます。

5
CT検査・MRI検査

CT検査とMRI検査は、X線や強い磁場を利用して体の内部を画像化します。
これにより、子宮頸がんの広がりやリンパ節、他臓器への転移を調べます。

6
PET検査

放射性フッ素を含むブドウ糖液を注射し、がん細胞の活動を画像で捉えます。

7
膀胱鏡検査・直腸鏡検査

がんが膀胱や直腸に広がっている可能性がある場合に実施します。
これにより、臓器内部の状態を直接確認します。

8
腫瘍マーカー検査

がんの種類に応じて特有のタンパク質などを血液から測定します。
SCC、CA125、CEAなどのマーカーが子宮頸がんの場合に測定されますが、これらの数値だけでがんの有無や進行度を判断することはできません。

治療方法

手術療法

子宮頸がんの初期段階(I~II期)および前がん病変の治療には手術が効果的です。
この手術には、子宮頸部の部分的な切除や全子宮の切除が含まれます。
具体的な手術方法には、円錐切除や子宮全摘術などがあり、病状や子宮の保存希望によって手術の範囲が異なります。
手術後は病理検査によってがんの進行具合を調べ、追加治療の方針を決定します。

放射線療法

放射線療法は、X線やガンマ線を使用してがん細胞のDNAを破壊する治療法です。
子宮頸がんに対しては、外部からの放射線照射、腔内照射、および組織内照射の3つの方法があります。
進行がんや再発がんの治療にも使われ、時には化学療法と組み合わせて行われます。

薬物療法

進行がんや再発がんの治療において、薬物療法が用いられることがあります。
この治療の主な目的は、生活の質を保ちつつ生存期間を延ばすことです。
大きな腫瘍が存在する場合や、他の治療法だけでは不十分な場合にも使用されます。